プリンス スカイラインGT(S54A-1・1964年)
レースのために100台だけ作られた、伝説の特別なスカイライン

諸元(ヘリテージコレクションの展示車)
- 型式
- S54A-1
- 寸法
- 4,255 × 1,495 × 1,410 mm
- ホイールベース
- 2,590 mm
- トレッド(前/後)
- 1,265 / 1,255 mm
- 車両重量
- 980〜1,008 kg
- エンジン
- GR7B(直列6気筒・OHC)。G7型をレース用に改修、1,988cc
- 最高出力
- 110kW(150PS)/6,800rpm
- 最大トルク
- 176N・m(18.0kgf・m)/4,800rpm
- サスペンション
- 前:ダブルウィッシュボーン/後:縦置リーフ
- ブレーキ
- 前後ドラム(アルミフィン付)
- タイヤ
- 4.50L-13(R6)
数字は、日産ヘリテージコレクションの該当ページを確かめたものです[1]。
つくられた理由と経緯
1963年に鈴鹿サーキットで開かれた第1回日本グランプリは、日産の年表によれば、スポーツカーへの関心を高めるきっかけになりました[2]。翌年の第2回に向けて、プリンスは市販のスカイライン1500にグロリアのエンジンを移植する方法を選び、この車を作ります[1]。ホイールベースを200mm延ばすのは、長い6気筒エンジンを収めるためと読めますが、ページはその理由までは書いていません。出場車には、ウェーバー3連キャブレター、5速クロスミッション、ノンスリップデフなどが付いていたと、解説にあります。
1964年5月3日のレース
解説は、このレースでポルシェ904が優勝し、スカイラインGTが2位から6位までを占めて、高い性能を印象づけたと述べます[1]。展示車は、2位に入った砂子義一選手の39号車と同じ仕様です。日産のスカイライン歴代ページは、この出来事から「羊の皮を着た狼」の称号が生まれたと説明します[3]。
レストアされた展示車
展示されている個体は、2012年の鈴鹿サーキット50周年に合わせて、「日産名車再生クラブ」がフルレストアしたものだと、解説にあります[1]。
市販の2000GTへ
レースの後、125馬力の「2000GT(S54B-2型)」が1965年2月にカタログモデルとして発売されました。この市販車はスカイライン2000GTの面で説明します。レース用の150PSと、市販の125馬力は別の数字です。
グロリアとの関わり
搭載したG7型エンジンの出自は、グロリア スーパー6の面にあります。ヘリテージコレクションのグロリアの解説は、G7が1964年にスカイラインGT(S54)にも使われた、と書いています[4]。
桜井眞一郎が語られる設計の判断
日産のヘリテージ「レジェンド04」には、このGTが生まれた場面が、桜井眞一郎の逸話として載っています。桜井は、第2回日本GPにグロリアとスカイラインの両方を出して、両車での表彰台をねらっていました。ただ、1.5リッターのスカイライン(S50)では、鈴鹿サーキットのスプーンカーブの立ち上がりでライバルに離されると予想しました。そこでS50のシャシーを200mm延ばし、グロリア用の6気筒エンジンをどうにか詰め込んだ、とあります[5]。上司からは「ホモロゲーション(出場資格)が取れるだけの台数を作ればよい」と言われましたが、桜井は「いいえ、必ずやこういうクルマが売れる時が来ます」と答えた、と書かれています。人物の経歴は桜井眞一郎の面にまとめています。
同じ6気筒の出力を並べる
| 車 | エンジン | 最高出力 | 出典 |
|---|---|---|---|
| グロリア スーパー6(1964年式・競技仕様) | G7 1,988cc | 104kW(142PS)/6,800rpm | [6] |
| スカイラインGT(1964年・展示車) | GR7B 1,988cc | 110kW(150PS)/6,800rpm | [1] |
| スカイライン2000GT(1965年2月発売) | 解説に書かれていない | 125馬力 | [1] |
| グロリア スーパー6(1967年式) | G7 1,988cc | 105PS/5,200rpm | [4] |
展示車の150PSは、G7をもとにウェーバーの3連キャブレターなどでレース用に改めたGR7Bの数字です。市販の2000GTについては、解説に「出場車と同じウェーバー3連キャブの125馬力仕様」とあり、同じキャブレターでも出力が違います[1]。グロリア競技仕様の142PSとスカイラインGTの150PS、市販の125馬力と、計り方や仕様の違いと考えられますが、資料に理由は書かれていません。
ホイールベースの引き算
展示車のホイールベースは2,590mmです。「200mm延ばした」という解説から単純に引き算すると、S50型のホイールベースは2,390mmとなります。この2,390mmはこのサイトの計算で、資料に直接書かれた数字ではありません[1]。
よくある質問
スカイラインGTはレースに勝ちましたか。
なぜ100台作ったのですか。
展示車はだれの車と同じ仕様ですか。
レースが開かれたのはいつですか。
出典
- 日産ヘリテージコレクション プリンス スカイラインGT(S54)(2026年11月7日に確認)
- 日産 企業情報 ヘリテージ 1960年代(2026年11月7日に確認)
- 日産 NISSAN HERITAGE COLLECTION online スカイライン歴代12代の軌跡(2026年11月7日に確認)
- 日産ヘリテージコレクション プリンス グロリア スーパー6(1967年・S41D)(2026年11月7日に確認)
- 日産 ヘリテージ レジェンド04 桜井眞一郎(2026年11月7日に確認)
- 日産ヘリテージコレクション プリンス グロリア スーパー6(1964年・S41D)(2026年11月7日に確認)
- 日産ヘリテージコレクション ショートストーリー 日本グランプリの歴史(英語版)(2026年11月7日に確認)